骨粗鬆症について

骨粗しょう症は、人間が最もかかりやすい病気のひとつです。現在、日本でも多くの骨粗しょう症患者がいるとされ、その8割が女性だと言われています。しかしながら、実際に治療を受けている方は全体の2割程度と少なく、また男性にも増えてきているため、高齢化が進んでいる近年問題視されています。

私たちの骨は、他の組織と同じように形成と吸収を繰り返して新陳代謝をしています。骨からカルシウムが放出されるのが骨吸収で、その一方で破壊された骨にカルシウムを蓄え新しく骨が作られるのが骨形成です。この骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が多くなってしまった疾患が骨粗しょう症です。骨粗しょう症は、一般的に症状がなく、未治療・未検査の方が非常に多いのが現状です。当院では、日本骨粗鬆症学会認定医が専門的な診断を行い、患者さま個々人に合わせたオーダーメイドな治療を提案しています。

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症とは、カルシウムの減少などにより骨がスカスカになり、骨の強度が低下し骨折しやすくなる病気です。女性ホルモンの減少、喫煙や飲酒、運動不足なども影響しています。高齢者は、骨粗しょう症による骨折が寝たきりに結びつき、要介護状態になったりと、極めて深刻な問題を引き起こします。骨量が減って骨折してしまう前に、早い時期から骨粗しょう症に対する予防が重要です。
年齢問わず女性に増えてきています
骨粗しょう症には、女性ホルモンの一種エストロゲンが深く関係しています。エストロゲンが大量に分泌されている間は、骨からカルシウムが溶け出さないように働きますが、エストロゲンが低下する閉経後には骨量も急激に低下して、骨粗しょう症のリスクが高くなります。
女性の生涯における骨量は、成長期に増加して30歳頃にピークを迎え、その後は低下します。偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒などが原因で、最近では高齢の女性だけでなく、若い女性の骨粗しょう症も問題視されています。女性の方は、50歳になる前に骨粗しょう症の精密検査を受けましょう。

このような症状はありませんか?

□以前より身長が縮んできた
□背中や腰が丸くなってきた
□背中や腰に痛みを感じる
□お腹がすぐにいっぱいになる
□息切れがする
骨粗しょう症は、痛みなどの初期症状はなく、気づかぬうちに進行していきます。そして、骨折を発症して初めて診断がつくことがほとんどです。気になる症状がひとつでもある方は、検査を受けることをオススメします。

骨粗しょう症による骨折を起こしやすい部位

□背骨(椎体)
□太ももの付け根(大腿骨)
□手首(前腕骨)

骨粗しょう症の検査

当院の骨密度測定は、DXA法と呼ばれる、2種類のエックス線を用いて骨量を測定する方法で、精密に骨量を測定することが出来ます。
昔は、骨折してからレントゲンを撮り、初めて骨粗しょう症に気づくといった状態でしたが、レントゲンだけでは重症の骨粗しょう症しか判断できなかったのです。近年は、このDXA法による骨密度測定で早期発見・早期治療ができるようになっています。
また、血液検査や尿検査を行うことで、骨形成と骨吸収のバランスを確認することが可能です。

骨粗しょう症の治療と予防

近年、骨粗しょう症に使われる薬や注射も増えてきています。適切な検査の後、患者さま一人ひとりに合った治療方針を提案し、治療をすすめていきます。また、普段の生活から、適度な運動をしたりバランスの取れた食事を取ることをを心がけることも、とても大事です。骨粗しょう症の治療と予防は、運動療法、食事療法、薬物療法が基本となって行われます。
骨を強くする運動
・ウォーキング
・ジョギング
・ストレッチ
・片足立ち体操

骨を強くする栄養素
・カルシウム(身体全体に必要不可欠な栄養素ですが、そのほとんどが骨の材料となり蓄積されていきます。)
・たんぱく質(必須栄養素のひとつで、丈夫な身体づくりに欠かせない役割を果たしています。)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を助けます。) 
・ビタミンK(骨を丈夫にし、血を止める役割をします。)

控えた方がいい食品など
・インスタント食品
・スナック菓子
・過度のアルコール
・過度のカフェイン
・タバコ