変形性関節症
骨と骨の間にある関節の軟骨がすり減って、滑らかな動きができなくなり、痛みや腫れが起きてしまう病気です。肩、肘、手関節などの上肢関節や、股、膝、足関節などの下肢関節の全身の関節に起こります。特に、下肢関節に起きてしまうと、立ち上がったり歩行するのが困難になったりと生活に大きな支障が出てしまいます。膝に水がたまったりするのもこの疾患のひとつです。そのまま放置していると、関節が変形してしまい、元に戻せなくなるので、早めの治療が重要です。
症状
使用時の痛み、腫れ、疲労感、違和感、関節の変形 など
※特に下肢関節では、荷重時(体重をかける際)や歩き始めに強い痛みを自覚することが多いです。
当院では人工関節置換術が可能です
障害の起こった関節を、金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工の関節に入れ替えることで、痛みが軽くなり、歩行能力が改善されます。このような手術を「人工関節置換術」と呼び、股関節、膝関節を中心に日本国内で1年間に20万例以上の手術が行われていると言われています。
当院では、人工関節置換術にも対応しており、股関節や膝関節の手術を中心に行っています。日々痛みにお悩みの皆さまの症状改善のお手伝いができればと思います。お気軽にご相談ください。
肩関節疾患
肩関節の疾患は、肩の痛みから自覚症状を感じることが多く、「五十肩」などとひとくくりにされがちですが、肩関節は複雑なつくりになっており、その中にはさまざまな疾患が存在します。いわゆる「五十肩」と言われるのは、肩関節周囲炎という疾患で、肩関節に炎症が起こって痛むようになりその生活を続けているうちに、肩関節がかたまってしまった状態を指します。また、症状が似ていても診察してみると、腕を回す役目となっている腱板が切れて肩腱板損傷の状態になってしまっている場合もあります。年齢を重ねると自然に切れてしまう可能性も高くなりますが、症状が「五十肩」と似ているため放置されている方も多いようです。断裂がひどくなると、手術が必要になる場合もありますので、気になる症状がある方は早めの受診をオススメします。
症状
肩が上がらない、腕を後ろに回せない、肩を動かすと痛む、痛くて眠れない、肩の骨が引っかかったように感じる
外傷
ケガをすると何科にかかったら良いのか迷うこともあるかもしれません。整形外科は、運動器の疾患を扱う診療科です。当院では、さまざまなケガ、骨関節の外傷、筋腱の外傷まで幅広く対応しております。
ただし、頭部・顔面のケガの場合は、専門的な診療ができない場合があります。
考えられる疾患
・骨折、脱臼
・捻挫
・靭帯断裂
・アキレス腱断裂
・肉離れ
・筋挫傷
症状
四肢の変形、腫れ、関節が動かせない、関節がグラグラして痛む、歩行困難、筋や腱が切れる音がした、内出血 など
関節リウマチ
関節リウマチとは、免疫現象を基礎にして起こる原因不明の慢性炎症性疾患です。免疫異常が原因で、間違って自分の細胞などを攻撃してしまい、それが関節の腫れや痛み、全身症状で現れます。放置していると、骨や関節が破壊され変形してしまう病気ですが、早期に発見し治療すれば、症状をコントロールして関節破壊の進行を遅らせることができることが分かってきています。20〜50歳代の女性に多く見られます。疑われる症状がある方は、お早めにご相談されることをオススメします。
症状
朝に関節や身体がこわばる、関節の痛みや腫れ、指などの動きが悪い、貧血、微熱が出てだるいなど
骨粗しょう症
骨粗しょう症とは、カルシウムの減少などにより骨がスカスカになり、骨の強度が低下し骨折しやすくなる病気です。女性ホルモンの減少、喫煙や飲酒、運動不足なども影響しています。高齢者は、骨粗しょう症による骨折が寝たきりに結びつき、要介護状態になったりと、極めて深刻な問題を引き起こします。骨量が減って骨折してしまう前に、早い時期から骨粗しょう症に対する予防が重要です。
また、骨粗しょう症には、女性ホルモンの一種エストロゲンが深く関係しています。エストロゲンが大量に分泌されている間は、骨からカルシウムが溶け出さないように働きますが、エストロゲンが低下する閉経後には骨量も急激に低下して、骨粗しょう症のリスクが高くなります。女性の生涯における骨量は、成長期に増加して30歳頃にピークを迎え、その後は低下します。偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒などが原因で、最近では高齢の女性だけでなく、若い女性の骨粗しょう症も問題視されています。女性の方は、50歳になる前に骨粗しょう症の精密検査を受けましょう。
症状
以前より身長が縮んできた、背中や腰が丸くなってきた、背中や腰に痛みを感じる、お腹がすぐにいっぱいになる、息切れがする
スポーツ外傷
スポーツ外傷とは、運動中に何らかの大きな力が加わってそれが原因で起きるケガのことです。また、スポーツで使いすぎなどが原因で繰り返されて生じる運動障害も含まれます。その場合、自分では気づかずに痛みが増していく場合もあります。特に、成長期の子供は、症状をそのままにして身体を酷使していると、障害が発症してしまいます。
個人一人ひとりの体格や身体能力に合わせた治療やリハビリが必要となります。スポーツによる痛みが続いている場合は早めに受診しましょう。当院では、外傷の起きた部位や損傷具合に合わせた適切な治療と、スポーツドクターの観点からの予防とリハビリまで、スポーツをより楽しく続けていただくためにアドバイスも行なっています。
考えられる疾患
・テニス肘
・野球肘
・突き指
・アキレス腱断裂
・肉離れ
・疲労骨折
・肩、肘、手、膝、足関節周囲の靭帯損傷
症状
肘の内側や外側が痛む、タオルを絞るとき痛む、関節が腫れる、内出血、運動時に足が痛む、運動時に対象となる関節・膝・筋肉が痛む など
脊椎疾患
脊椎とは背骨のことで、身体を支える重要な骨です。脊椎は、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨とたくさんの骨から成り立っており、その骨に異常が起きることによって全身にさまざまな障害が起こります。中でも、最も重要なのは、脊椎の中を通る神経で、脊椎疾患は神経を傷害する可能性があります。病名が同じでも痛みの原因が、神経の圧迫によるものなのか、背骨の変形によるものなのかによっても治療方針が変わります。神経を損傷していないか、またその程度を注意深く診察し、レントゲン、MRI検査等により正確に判断し治療を行う必要があります。
手足のしびれや痛みなどは、我慢してしまいがちですが、重症の場合には手術も必要となりますので、お早めにご相談ください。
考えられる疾患
・頸椎、腰椎の変性疾患(ヘルニア)
・頸椎症性脊髄症
・腰部脊柱管狭窄症
・急性腰椎症
・坐骨神経痛
など
症状
手足のしびれ、腰痛、背部痛、筋力の低下、足がふらつくなどの歩行障害 など
末梢神経障害性疾患
手や肘の内部には、骨と靭帯で形成されたトンネルがあり、その中には神経が通っています。そこに炎症が起きたり、圧迫が加わると、神経麻痺が生じ手や指にしびれや痛みが起こります。その病気を、「手根管症候群」「肘部管症候群」と言います。手根管症候群は、妊娠・出産期や更年期の女性が多く生じるのが特徴です。骨折や腫瘤などによる圧迫、仕事やスポーツでの手の使いすぎが原因とされ、透析をしている人も注意が必要です。肘部管症候群は、加齢によるもの、子供の時の骨折、スポーツ、靭帯や腫瘤による圧迫が主な原因とされています。投薬治療や湿布治療で効果が得られない場合は、手術が必要な場合もあります。
症状
手根管症候群
夜間や朝方に小指以外のしびれ・痛み、手を振ると痛みが緩和する、親指の付け根が痩せる
肘部管症候群
小指と薬指のしびれ、手の筋肉が痩せる、小指と薬指がまっすぐ伸びない、指を閉じたり開いたりできない、握力低下
手先の腱鞘炎
指は、骨と筋肉をつなげる腱によって曲げたり伸ばしたりすることができます。手を握ったりするための筋肉の力を、腱が伝えることにより、手に力を入れて物を掴んだりすることができるのです。腱の中には、腱鞘(けんしょう)と呼ばれる部分があり、それが終わる指の付け根付近には力がかかり炎症を生じやすいところがあります。何らかの負担がかかりすぎることによって、その部分の腱鞘が炎症を起こして、“腱鞘炎”になります。そして、さらに進行すると引っかかりが生じ、ばねのような現象が起こります。 これを“ばね指”と言います。さらに悪化すると指が動かない状態になります。ばね指を発症するのは、女性が大半を占めています。女性ホルモンの分泌量が大きく低下する更年期だけでなく、妊娠初期の妊婦や産後のママにも多く見られます。また、スポーツや指を良く使う仕事の人、糖尿病、リウマチ、透析患者の方も注意が必要です。
症状
寝起き時に指の付け根に痛み・腫れ・熱っぽさを感じる、親指の付け根に違和感を感じる、指を伸ばすと痛む、指が伸びない、指を曲げると戻らない など